エキノ DNA解析

2012年4月22日 (日)

LEAFY8

また、ちょっと時間が空いてしまった。
深緑&珍種のDNA解析。LEAFYのPCR産物をプラスミドにクローンして配列を決定。
いくつかうまくいってないヤツがあり、終了というとこまでいかないが見えてきた。

やはり、深緑は長いLEAFYと短いLEAFYをもっている。それぞれの株の持つLEAFYの長い方を1、短い方を2とする。
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Lehtonenは、オパクス、ポルトは、ここでいう短いLEAFYを2タイプ(互いに塩基置換がある)持っているとしているが、これはまちがい。彼らは、ゲノムよりPCRで増幅したDNAを直接読んだ「ミックスの配列データ」から特殊なプログラムを使って、混ざっている配列を推測しているが、うまくいってないのでしょう。彼らの決めたオパクス、ポルトの一方の配列は、今回決めたオパクス等の配列と一致しますが、もう一方はどのエキノとも一致しない特殊なものとなっていて、後者の配列は間違いなんでしょう。

クラスタリング解析をします。
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まず、深緑の短い方ですが、これは、2タイプあって、オパクス、スーパーウルグアイ、パラグアイアを含む「オパクス・ポルト2型」とイボレ、サンタマリアを含む「16.5型」。前者がロンギスカプスに、後者がグランディフロリスに近縁です。イボレ、サンタマリアが、オパクス、スーパーウルグアイ、パラグアイに比べて大きくなるのは、グランディの血でしょうか?

長い方のLEAFYですが、こちらも2タイプ。オパクス、スーパーウルグアイは、系統的に「オパクス・ポルト2型」に近縁の配列です。一方、サンタマリア、イボレ、パラグアイは、ウルグアイエンシスと同じ配列を持ちます。

また、うちにある 人からもらった入手ルート不明のポルトですが、これがまたややこしい。長い方は、ウルグアイエンシスでいいのですが、短い方の配列が問題。今回配列を決定した中に4クローンあったんですが、これがはっきりと2-2の2タイプに分かれるので、2タイプありそうで、オパクスポルト2型と16.5に近縁のもの2つもってそう。こいつは、ファーム由来の株かもしれません。

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黄緑の珍種!のほうですが、モンテカセロスは、ウルグアイとグラウカスに近縁種のハイブリッド!以前、ある方のブログで、モンテカセロスの水上葉が、グラウカスのように粉を吹くと紹介されてましたが、やはり、グラウカスの血!が入ってるんですね。

グイヤネンシス、ブリードオシリスは、前回述べたとおり。構成としては深緑と同じなのに、こいつらは黄緑。深緑とは?というのを調べるのに、いい比較対照です。次は、葉緑体ゲノム上の配列を調べて、長い方と短い方が雌雄どちらからきてるのか、調べないといけないのかも。また、不明ポルトが、3種類のLEAFYを持っているので、こいつが倍数体であるのは確実。やはり染色体数を調べる必要もある。

赤系改良品種のもとになった、ホレマニーレッド。こいつは、オシリス、アフリカヌスと同じLEAFYを持つハイブリド。是非その表現を見てみたいのだが、国内にあるのか、また入手できるのか、よく分からない。これじゃないのかということで、ラタイのウルグアイレッドの葉っぱをもらって調べてみたが、これは、ウルグアイエンシスにグランディの近縁種がかかっているようで、こいつではない!・・どこかにないものか。某店主の方、探してください。

2012年4月 9日 (月)

LEAFY7

深緑の種類を増やした。サターン2000、ケリュケイオン、サンタマリア、パラグアイは、某店に押しかけ葉っぱを一枚ずつもらってきた。協力感謝!ポルトは、もらいもので、葉脈3本のラージリーフタイプ。

まず、深緑は、LEAFYの長さの違う異種間のハイブリッドかどうかを調べるために、PCRで増幅したDNA を直接シークエンシング。

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調べたもの、すべてがやはり異種間のハイブリッド。オパクス、サターン、ラウンドリーフのシグナルがメジャーとマイナーに分けられそうなので、これらは3n 体か?微妙だけど・・・。また、サターンはマイナーな配列が他とは違う気がする。

パワーポイントで図に通釈を入れて保存して、ブログにあげると、図が荒くなってしまう。シークエンスの波形だけの画像だけをのせておく。順番は同じ。
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2012年4月 4日 (水)

LEAFY6 まだ続く

イボレ、スーパーウルグアイ、ブロードオシリス、グイヤネンシスのLEAFY配列を決めると、これらは、長いものと短いもの両方を持つハイブリだった。長いほうを、-1とし、短いほうは-2とした。長い方と比べると、短いほうはどれも同じところが欠失しているので、互いに近縁なのがわかる。

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これらの配列とLehtonenの登録しているエキノの配列をClustalWというアライメントソフトをつかって系統解析を行った。長いほうを青で、短いほうを赤で囲った。

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グイアネンシス、イボレ、ブロードオシリスの長いほうは、ウルグアイエンシスと同じ。
グイアネンシス、イボレの短いほうは16.5フルバーニアンと同じ。
ブロードオシリス、スーパウルグアの短い方は、オパクス・ポルト-f (雄)と同じ。
スーパーウルグアイの長い方はオパクス・ポルト-f (雄)に近縁。

つまり
イボレ、グイアネンシス・・・ウルグアイ&フルバーニアン
ブロードオシリス・・・ウルグアイ&オパクスポルト-f
スーパーウルグアイ・・・オパクスポルト-f&オパクスポルト-fの近縁

イボレとスーパーウルグアイの構成が異なるのが驚き。また、イボレとグイアネンシスの構成が同じなのに、なぜ表現が大きく違うのか!いい比較になりそうなので、染色体数を比較してみたい・・・

Lehtonenがオパクス、ポルトの雌由来とした配列は、フルバーニアン、グランディフロリスに近縁で、ここでいう短い方の配列になります。つまり、オパクス、ポルトはハイブリッドだが、雌雄由来とも短いほうの配列で・・・フルバーニアン、グランディフロリスに近縁種間のハイブリッド。同じ深緑のイボレやスーパーウルグアイとは構成が大きく異なります。この点が疑問なので、オパクスやサンタマリアなどサンプルを増やして解析するつもりです。深緑というくくりで共通項を見つけたいものです。


2012年4月 3日 (火)

LEAFY6 つづきのつづき・・・

グイヤネンシス、スーパーウルグアイもミックスパターンだが、これもブロードオシリスと同じで長いLEAFY由来と短いLEAFY由来のシグナルが同じ強度で現れてるように思う。

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イボレ、スーパーウルグアイは、深緑。グイヤネンシス、ブロードオシリスは黄緑。深緑と黄緑の差は?個人的には、ブロードオシリス、グイヤネンシスは2n、スーパーウルグアイは4nで、倍数体化が深緑の特徴だったりしないかと考えているが、根拠はない。染色体数を調べることを考えないといけないか・・・。

現在、さらにサンプルを増やしているので、配列比較は、もうちょっと後。

LEAFY6 ブロードオシリス

ブロードオシリスもイボレと同様、雌雄由来でLEAFYの長さが違う。ただ、イボレとは少し異なる。

PCR産物を直接配列決定したデータを並べてみた。ミックスの部分ですが、イボレは、短い方のLEAFYの配列が主要シグナルとして波形に現れ、長い方のLEAFY のシグナルは、シグナル強度の低いマイナーシグナルとして現れています。それに対して、ブロードオシリスの場合は、長い方のLEAFY由来と短い方のLEAFY由来のシグナルが同じシグナル強度で現れているようで、ミックス部分は完全なミックスで判読不能になってます。また、シークエンスデータの末端の長い方のLEAFY由来の配列のみが出てくるところを比べると、イボレのシグナルはミックス部分のシグナルと比べ、低くなってますが、ブロードオシリスの場合は、ミックス部分と同じです。

このことから、イボレと異なり、ブロードオシリスは短い方のLEAFYを持つゲノムと長い方のLEAFYを持つゲノムを同じ数持っているのでしょう。普通に考えれば2n体、倍数体だとしても4n体でしょう。

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2012年4月 2日 (月)

LEAFY 6 続き

イボレのプラスミドから読んだデータにPCR産物を直接読んだデータを足してみる。上下の波形を乗せたヤツがPCR産物を読んだヤツで右から読んでいる上側は長さの異なる部分を超えた左側が、左から読んでる下側は長さの異なる部分を超えた右側の波形が乱れているのが分かります。また、PCR産物を直接読んだデータは短い配列のデータが主要な配列として出てきてます。つまり、短い方のLEAFYが2n 長い方がnということでしょう。そうすると短い方のLEAFY の配列を持つ4n体が片親ということになります。短い方のLEAFYと同じ配列を持つフルバーニアンのゲノムは、2n なのか4nなのか?知りたいですね。

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LEAFY6

さて、エキノの解析のつづき。
先日説明したとおり、イボレは、PCRで増幅したDNAの配列を直接調べると、シグナルがミックスになって決められないので、イボレは、おそらくハイブリッドでLEAFYの長さが雌雄由来で異なっているのではないかと考えられた。

そこで、大腸菌で複製できるプラスミドとPCR産物を酵素でつなげ、そのミックスで大腸菌を形質転換します。プラスミドにコードされている薬剤耐性マーカーを利用して、プラスミドが導入された大腸菌を選択します。そうすると、プラスミドが導入された大腸菌がコロニーとして出現します。個々のコロニーは、一つのプラスミドが導入された一匹の大腸菌が増殖したものです。そのため、PCRで増幅したDNAが複数の異なるDNAを含んでいる場合、いくつかのコロニーのプラスミドを調べれば、異なるDNAをもつものが見つかるはずです。で、実際に複数のコロニーよりプラスミドを抽出し、プラスミドに挿入されたLEAFY配列を決めました。

その結果、予想通り、イボレは長さの異なるLEAFY配列を持つことが確認できた。実は、イボレ以外にもスーパーウルグアイ、ブロードオシリス、グイヤネンシスもどうも同じ理由で配列が決定できていない感じだったので、同時に調べたところ、これらもイボレ同様長さの異なるLEAFY配列を持つことが分かった。

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図中で下線を引いたところを見てもらうと、長いヤツと短いヤツがあるのが分かると思います。長いヤツと短いヤツの比か種類ごとに異なってますが、無視してください。

解析は、これからですが、一つだけ。イボレの短い方のLEAFYとAZ1110-16.5 フルバーニアンのLEAFYの配列が、全く同じです!!
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2012年3月19日 (月)

LEAFY5追加の追加

データをよく見直して分かってきた。興味のある人が地球にいるのか非常に疑問ですが・・・

配列データの末端に注目。ハイブリッドではなくきれいなシークエンスデータが得られる場合は、図のメジャーシグナルの末端と示したところがDNAの末端でそれ以降はシグナルが出ない。ですが、イボレの場合、さらに数bpシグナルが見られます。その数bpの配列をメジャーシグナルの末端と比べると完全に一致しているので、メジャーのシグナルと同じ配列がずれて(7 or 8 bp?)出てきているものだと分かります。イボレ 3n説に基づいて考えると、メジャーなシグナルとして検出される2nの方のDNAに比べ、1nの方のDNAには、7-8 bpの挿入があるのではないか?

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実は、Lehtonenの出してるポルトの配列とウルグアイの配列を比べるとウルグアイには、7 bpの挿入があります。で、イボレのデータとLehtonenのポルトの配列、ウルグアイの配列を並べてみると下の図のようになります。

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図の下に下線を入れたところが、ポルトにはないウルグアイの方にのみある挿入配列です。イボレのシークエンスのチャートを見ると上側の右の方向から読んでいるデータはその挿入部分まではきれいなシグナルが立っていますが、挿入をこえるとメインのシグナルとともにマイナーなシグナルが立ってシグナルが乱れます。下側の左から読んでる方も同様で、挿入より下流側(右側)でチャートが乱れます。(下側の方が分かりやすいですね)

おそらく、イボレは、Lehtonenの出してるポルトに近いDNAを2nとして持ち、ウルグアイのようなポルトに比べると挿入配列を持つDNAをnとして持っているのでしょう。ちゃんと決めたくなってきました。

2012年3月18日 (日)

LEAFY5追加

チャートをずらして読むとマイナーなシグナルの配列を確かに追えるような・・・。一方の配列に欠損(マイナーなシグナルを持つ方が数bp長い)があるのか?どちらにしても、ちゃんと決めるにはPCR産物をプラスミドにクローニングするしかないが、やだなぁ。

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LEAFY5

深緑・・・・

PCRによるDNA増幅条件、その精製方法を検討したが、何度やっても改善しない。改善しないだけでなく、パターンが毎回同じ。一例としてイボレとスーパーウルグアイを並べたものを示します。上側2つがこの図の配列でいうと右側から配列を読んだもの。下側2つが左側から読んだもの。図の下に入れた矢印のあたりから下流側(上ふたつは矢印より左側、下2つは矢印より右側)のデータが乱れて読めない。

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オシリスなどのハイブリッドのように雌雄由来の配列が塩基のみ異なっている(置換の)場合は、その部分のシグナルがミックスになります。しかし、雌雄由来のDNAの配列が、例えば雄由来の配列の途中に1塩基の挿入があったとします。その場合は、一方から配列を決定していくと、その挿入までは、雌雄とも同じ配列なのできれいに決定できますが、その挿入以降は雌雄の配列がずれるので、データはミックスになり決めることができません。そういうパターンかとも思い、チャートのミックスになった部分を眺めるけど、どうもそう単純ではなさそう。例えば、図の配列の上に225という数字があるところに左からTAACCAACCAという配列があります。上2つデータではその配列の通りのきれいなピークが見られます。下側2つのシグナルがミックスになった部分でも、よく見るとその配列と同じシグナルが強くあがってるんです。最初は、サンプル調製の問題かと思っていたんですが、先に述べたとおり、方法を変えてもパターンが変わらないのでそうではないのかも・・・と考え出した。この2つの深緑は単純なハイブリッドではなく、3nの倍数体ではないのか?雌雄由来のゲノムが2nと1nかつ雌雄のLEAFY領域の配列の長さが異なるのじゃないか?だからミックスになった部分でも、シグナルとしては2n側の方がシグナルが強くなる・・・・。こう考えるとデータの説明がつくように思います。もしそうなら、これは、単純にPCR産物の配列を直接決定しても配列は決まらない!どうしようか・・・

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